結婚が報じられたばかりの歌舞伎俳優・尾上菊之助が14日、お相手となる歌舞伎俳優・中村吉右衛門の四女・波野瓔子（ようこ）さんと都内で婚約報告会見を行い、なれそめなどを語った。会見には菊之助の父親・尾上菊五郎と中村吉右衛門も出席し、ユーモアたっぷりのコメントで会場を沸かせた。


　今日結納を取り交わしたという菊之助は、「（瓔子さんは）とても明るくてかわいらしい方。同じ歌舞伎界で育っているので、小さいころから（存在は）よく知っていました。2年前に会食する機会があり、それからお友達としてお付き合いしていましたが、そのころは本気で結婚を考えてはおりませんでした」と明かす。

　さらに「それから月日がたって、昨年の12月に（中村）勘三郎さんがお亡くなりになって、（勘三郎さんの）2人の息子さんの必死の姿を見て、わたしも早くしっかりした家庭を持たなければと痛切に感じたのです。そして、よく考えて、やはりこの人しかいないと思い、12月の末に瓔子さんと会食したときに、結婚の申し込みをしました」と結婚に至った経緯を詳しく説明した。

　一方、黄色の着物姿で出席した瓔子さんは、プロポーズ当時の状況を聞かれて「和康（菊之助の本名）さんのご自宅で、『家を守って下さい』という言葉をいただきました」とはにかみながら返答。そして「最初は（結婚相手として）意識はしていなかったけれど、去年の11月に食事をしたときぐらいから、何となく、自然に和康さんを支えてあげられる存在になれたらいいなと思っていました。和康さんは、とても温かく、優しい空気をまとっていらっしゃる方。一緒にいると羽毛布団に包まれているような温かい気持ちになれるんです」と初々しく菊之助への思いを語った。

　尾上菊五郎は、「娘のしのぶ（菊之助の姉・寺島しのぶ）が、フランス人のだんなをもらったとき以上にびっくりしました。まさか、この年になって播磨屋さんと姻戚関係になるとは。本当に、かわいい聡明なお嫁さんで、うれしく思います」、中村吉右衛門も「（結婚は）ただただびっくり。菊之助君は大好きな役者さんだけど、あんまり急な話で。（娘を）梨園に嫁がせようとは思わず、歌舞伎の世界のことは教えておりませんでしたので、『いいの、こんなんで？』と思いました」とそれぞれユーモアを交えて二人の結婚にを語り、会場を沸かせていた。（古河優）